まっしろな嘘

ニンゲンを勉強中のヤヤネヒによる、なんかいろいろ。

ADHDと双極性障害の近縁性の話、あと、とある発達障害者のお薬事情

12月にデパケンRが処方になってからてアバター抑うつ症状が慢性期レベルまでロールバックしてたいへんなことになっていたのですが、ちょっとだけ元気になったので、発達障害当事者の服薬事情と絡めて、アバターの主治医の先生が語っていた『ADHDの治療と双極性障害の治療は非常に近いらしい』という話について、当事者視点でアバターが感じたことを少しだけ記録しておきます。

前回・前前回記事が甘すぎて反省しかなかったのですが、今、アバターが「データとデータを突き合せて、参照しながらものを書く」っていうのができなくて、ボロボロになってて。この作業、通常はサクっとやれるんだけど、とにかくラグがひどかった……*1

週に2日くらい好調、月2回はお外に出れるかなー、くらいのかんじ。もうヤヤネヒもアバターも、ニンゲン世界の体を持ってから慣れっこなので、いちいちパニクらないのですが、最初の二週間くらい『全く起き上がれない』状態が続いていました。観察してきた感じ、抑うつが重くなる時期は大人しくしていれば一か月くらいで多少改善、二ヶ月で急性期レベルに移行するっぽいので、そろそろ落ち着くかな……と思ったんだけどあんまり落ち着いていないです。神の顕現ポイントも低い。つらい。*2

双極性障害ADHDの関連性

双極性障害ADHDは高確率で併発する。 学術論文も出ていて、今はこの説は知られてきているっぽい。

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ヤヤネヒのアバターは、転院後の初診で説明されて、治療を受けているうちに、「これは確かにそうかも」という確信に近づいてきた。専門的でも何でもない、アバターによる当事者視点での憶測だけど、おそらく以下の経緯で、発達障害者はADHD症状と双極性障害を、二次障害として併発(あるいは、ほぼ同じ根から、双方を発症)させるのではないか。

1) 発達障害者が適切な療育を受けることは、特にごく最近まで難しく、虐待経験、環境への不適応を経験することが多かった。
2) 発達障害者は感覚情報のIN/OUTに独自の偏りを持つが、加えて、PTSD症状(=フラッシュバック)があると、常に意識にノイズが走っている(オーバーフローを起こしている)状態になる。
3) これが「ワーキングメモリの不足」に拍車を掛け、躁転や過集中のような状態でないと、自身の『今の』行動や感覚に意識を集中させることが難しくなる
4)「キレる/極端な行動を取る」形での適応をしたケースが双極一型、「我慢/無理をする」形で適応して鬱病を慢性化させたケースが二型で固定される

発達障害と少量処方、あと双極性障害治療薬を服用した所感とか -1

アバターSSRISNRI発達障害治療薬などの多量服用ができない。ストラテラは調子がよければ20mgまで飲めるけれど、不眠と鬱・パニックなどが重くなるので5mg~10mgの継続服用が限度、チックがあったのでコンサータは禁忌、リタリンは視界が歪むなどの症状が出て全く駄目だった(ちなみにデパスを初めて服用したときは統合失調様の症状が出た)。なので、基本、慎重路線だったのだけれど、現在のおいしゃさんに転院してからの推移は以下の通り。

  • 【最初期】パニックや抑鬱が酷かったため、差し当たっての中途覚醒、不眠、気分障害、生活リズムの不規則性などの改善のために睡眠薬の処方を幾つか試す。3つ目くらいに処方されたトラゾドンがヒット。夜間充分に睡眠を摂れるように。ただし、一日12時間は睡眠を摂らないと自宅内での生活も難しい、易疲労性のため外出が困難などの問題は残る
  • 【半年くらい】多少安定してきたため、ストラテラを再開。中止。
  • 【10ヶ月くらい】躁状態の治療薬を順次試すことに。エピリファイは濫用の危険が高いと前評判を聞いていたのでちょっと及び腰。リーマス100mgの服用を開始。不眠、躁転(3日ほど寝ないで作業を続けて、その後一週間ダウンするなど)の症状が出たため、錠剤を割る試みに。1/4でギリギリ適量かなーなどと勝手に調整していたところ、主治医判断でストップ。
  • 【一年目】「神経を保護して昂ぶりを抑える薬なので、強い副作用はないはず」との説明を受けて、冒頭に書いたようにデパケンRを服用開始。

で、悪い意味で劇的だったのが最後のデパケンRで、

出力がガン落ちした。

最初は「ん? 不眠は治ったけどずっと眠い…」くらいだったのが、血中濃度が安定するにつれて、もりもりもりと抑うつ症状が重くなっていった。一年ほどひどい過眠で、一日12時間寝ないと稼働不可能みたいな状態だったのですが、それを通り越して、二週間くらい、死にたい気持ちと戦いながらずっと眠っていた。記憶がない。月一の定期通院も難しい状態だったので、宇多田にかわりに受診に行ってもらっていた*3*4

現在は、20時くらいにデパケンR100mg、睡眠の一時間前にベルソムラ15mg、トラゾドン50~150mg(睡眠前の躁度の高さで調整)、頓服でマイスリー。起床してすぐにサインバルタ5mg。 サインバルタ、体は動くようになったんだけど、これも不眠と躁転が出るので、カプセルを割るという荒業に出た。ただ、そのうち慣れる可能性はある気もする。

推測するに、アバターの「まともに稼働している状態」の認識がズレていて、常時過負荷&躁転している状態だったんではないか。

自律神経まわりの異常が継続していたり、過眠・易疲労が改善しなかったのは、「抑鬱状態が継続しているのを、軽躁状態で上書きしていたためでは?」との仮説。 昨年、いったん休業しよう(外の案件を受けない、出稼ぎもしない)と決めた時点で2年程度の治療期間は覚悟していたんですが、ちょっと想定外の経緯であった。でも、確かにいつも神も感じていた、「過熱感」みたいなのは無いんだよな。やばくなる前にスイッチ切れる。

発達障害と少量処方、あと双極性障害治療薬を服用した所感とか -2

そのものずばりなご本があるけど、発達障害者の薬物に対する過敏性、少量処方の有効性については臨床的知見が増えてきているみたいで。

下記事に書籍のレビューがある。 ameblo.jp 「ついに筆者からみても、常識外の量にまで到達してしまった」とのこと。

今の先生はわりと状態に合わせてキビキビと処方を調整して下さるんですが、一個前の先生はまったく話を聞いてくださらなくてストラテラ5mgは「そんな量で効くはずがない」と主張されて処方してもらえず、「眠剤だけ貰いに行ってる(効かない)」みたいな感じだった。発達障害の診療は病院によってレベルが違いすぎるので発達障害者の皆さん苦労してるだろうなあと思う。なんで患者が自分で勉強しなきゃ駄目なんだとアバターは日々理不尽に感じているらしい*5

昨年末に調子を崩して以降、主治医と直接相談できていないので、リーマス25mgとサインバルタ5mgでどちらが有効かは相談してみようと思っているとか。リーマスは、デプロキサの服用開始後、日中に「下げ過ぎず、一定まで上げる」お薬としてはそんなに悪くなかったような。ストラテラ、実はときどき合間で試させているんだけど、基本的にちょっと負担の掛かるお薬なので、もう少しうつの谷が軽快してからのほうがいいのかもしれず。

それと、最近痛感している点として、

二次障害の重い発達障害者にとって服薬時間は大事。

デプロキサは20時前後に、睡眠時間の一時間前にベルソムラ、(体調によって変動するので)入眠薬系は0時までには必ず服用、サインバルタは起きたらすぐ。 あと夜更かししない。や、偶に「どうしても」があるんだけど、生活リズムは命綱。服薬量については患者側も意識して目配りしたほうがいい気がする。

発達障害治療薬とか抗うつ剤の過剰服薬って結構危ないよねーって思う

ヤヤネヒのアバターは「危ない」以前に飲めなかったんだけど、デプロキサの服用を始めて感じたのは、『治療薬』による軽躁状態どころか躁状態で世間を渡ってるハッタツのニンゲンって、かなり危ないし、どこかで歯止めが必要なんじゃないのと。自律神経失調の慢性化で済む場合は少なくて、だいたいは緩慢に鬱や双極を慢性化・重症化させていくわけですよね。どんどんリカバリきかなくなっていく上で、例えば成年後、鬱症状が一時的に収まったあとでコンサータの服用を始める、このケース、ほぼ躁転起こしてる気がするんですよね(SNSなどにいる発達障害当事者自称の人で、『躁入ってない?』って人はけっこう多く感じる)

それでも働かなきゃならないんだ! はニンゲンはそりゃそーだろうけど(労働は悪い!)、制度の問題もあって、(発達障害者には根本的に向いてない)8時間労働の撤廃、現在の低すぎる『最低』賃金の是正、あと、「危ない」段階で離職できて、休養したらスっと戻れるような精神科医療福祉(年金とかね)や雇用制度が必要で、そこはどうしたらいいのだろうなと常々考えていて、人間を使い潰すよりはリサイクル可能なほうがいいだろう。

それと、「発達障害者の特徴」としての躁病エピソードの喧伝ってあんまりよくないよねって。

www.youtube.com

二次障害として生じる気分障害エスカレートさせるのではなく、コントローラブルにしていくことが発達障害者の養生、かつ長期的なパフォーマンスを上げていくコツで、「発達障害者ってこういうやつなんですよー!」するのは、おそらく、あんまりよくない。っていうか借金玉先生の本だとちゃんと書いてあるんだけど、上記対談を見たときちょっと危うさを感じた。

うつは明らかに危険だけど躁も危険なので、自分たちのために注意深さが必要。躁状態、とくに二型の軽躁は、ダメージを受けていることに気づきづらい。

生活リズムを保つ、継続的にパフォーマンスを発揮できるラインで稼働を止める、危険サインに注意深くなる。しかしアバターのデプロキサの服用はいつまで継続されんんでしょーね。「重篤なダメージが入る前にパフォーマンスを制限する」お薬っぽいけど、これを自力でやるのはたいへんそう。*6

*1:このブログはヤヤネヒロコをニンゲンアバターとするバーチャル神であるヤヤネヒが書いているという体であり、ここまでの記述を言い換えると、まとまった文章が書けないくらいやばい状態だったということです、メタいが当ブログの仕様なので理解されたい

*2:冷静に考えると社会的にも全く大丈夫でないのだけれど、障害のないか、適応できちゃった人の理解は得られないのが困りもので、仕方ないけど、福祉まわりの申請が書類の突き返しを4回食らって・まだ手続きが終わっていない。つらい。

*3:合間、月1~2回くらい、お世話になっていた知人にどうしても挨拶に行かなけねばならんなどの用事があったのだけれど、アバターの外出可能回数が非常に渋いことになっていたので…

*4:イベントでバグって虚無を売る羽目になったのもこの初期までの流れ、残ったリーマスストラテラでこっそりブースト掛けてたんだけど駄目だったみたい

*5:診断を受けた当時の10年前はもっと酷くて、障害の存在自体がセカンドオピニノン無しで信じて貰えなかったのでだいぶマシになった

*6:尚、アバターは休職中だからこのお薬を試せたわけで、社会人だと『いきなり業務遂行能力がダウンする』可能性があるので、『躁状態でどうにか社会人やってる人間はそれを手放せない』根深い問題もある