まっしろな嘘

ニンゲンを勉強中のヤヤネヒによる、なんかいろいろ。

みんなひよこになっていくワールド~ VRAV量産事情 -脱線2

おうたができました

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ヤヤネヒです。

前回 www.masshirona.red

今回も前回記事の補稿です

今回は第二回の「VRの萌え系コンテンツって実際どのくらいあるのか」からの流れなんですが、軽く触れたFANZAVR-AVの制作事情、どーなってるのか、ヤヤネヒ、気になってて。

配信ペースめっちゃ早くないです?

通常のあだるてぃなびでおより速が上がっている気配すらある。流行りだしたの最近のはずですが、あっというまに5000本に迫る勢い。あ、性的消費とかそういう話はしてないんで。しかし、ここ2年〜3年でも年間2000本とか出てる計算。ゲーム&テック畑の感覚だとコストてきにありえない数字です、VRゲームのリリース本数、一桁ちがったでしょ?

っていうので、知り合いの人間と、VRの萌え系コンテンツって意外とないんですねって話と、BBCのドキュメンタリの話を(アバターが)やってたとき、流れで最近のVRAVってどうやって録るんでしょーって話を振ったところ、なんと

紗倉まな先生へのAbemaPrime密着取材が紗倉まな先生のチャンネルで公開されている件を神は知ったのです。

収録現場? あべま? のーれーてぃんぐ?

ということで、

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見てきました。

サムネイルがちょっとドキドキする雰囲気ですけど

年齢制限はない。

なぜ、このドキドキする絵がネット放送とはいえ一般レーティングでokなのか! 紗倉先生はなにに語りかけているのか! 以下につづく!!

あっ、これはヒューマンがヒューマンを撮ってる世界の話だから! 前回でドールの話は一度終わってるので!! 実写VRコンテンツをどうやって作るんだろうねって話だから!!

あと、猥褻はいっさいない。ご安心。 どういうことかは、読めばわかる。

紗倉まな先生について

人気の女優さんです。

紗倉まな先生、最近だと、「最低。

最低。 (角川文庫)

最低。 (角川文庫)

「凸凹」などの小説や、

群像 2018年 10 月号 [雑誌]

群像 2018年 10 月号 [雑誌]

への寄稿など、執筆活動に力を入れておられますが、活動頻度がやや落ちたと思われる現在でもFANZAの人気セクシー女優ランキングで男女トップスリーを防衛しておられる、儚げな美貌? に凛とした存在感と、ファンへのホスピタリティがグっと来るえらい人です。ヤヤネヒ、Tiwtterが面白いからずっとフォローしてる。

こういう面白い話をシェアしていただけるの、ありがたいことです

それはそれとして、撮影風景だ!!

紗倉まな先生の佇まいの良さと、撮影中のガイドは動画を見てください。ヤヤネヒは現場セットを確認するぞ。

まず、耳の形をしてるこれ。

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バイノーラルマイク。いわゆる5.1チャンネルの立体音響を録れるマイクです。 シリコンイヤーのついた疑似ダミーヘッドマイクは、おそらく、3DIOってメーカーの有名なやつです。画像はメーカーサイトから。amazonにはなかった。

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それで、カメラ……HD HEROって書いてある。

えーと、これ、「Go Pro」と呼ばれる、アクションカメラブランドの定番のやつですね。 THETA(全天球360°カメラの代表機種)じゃないのか、とヤヤネヒ首を傾げる。

機種はこれ?

もうちょっと安い機種がいちまんえんからありますが、動画のやつはゴープロです。

アクションカメラっていうのは、例えばスポーツマンがゴーグルにつけたり、カヌーのパドルにつけたり…「臨場感のある視野角の動画を録る」用途に特化したカメラです。Go Proの場合、二台ならべて、撮って、専用のソフトで編集することで限りなく360度に近い、所謂実写VR動画を作れる。

一人称、1-1の臨場感が欲しい、全天球で録る必要ない……っていうことかな……旅行体験とかのVRでもは全天球系を使っている。「散策する」ことに意味があるから。

以下、商品説明

「極めて近い位置に2台のカメラをセットでき、さらに両者をシンクロさせて撮影できるため、動画/静止画の同時撮影や大切な動画撮影のバックアップ用として。また2台の動画を編集ソフト「GoPro STUDIO」(無料)に取り込めば3D動画を簡単に作成できます。

上の動画だと、専用マウントは使わずに、ダミーヘッドマイクと、視点指示用のオブジェクト(男優)をマウント*1に固定して録ってるっぽい。

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男優。*2

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男優。

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ひよこちゃん『ワシが男優だ』

これが男根のめたふぁ

これは、これはまさに新技術を古いナントカに入れる……低予算で戦う人類の知恵……ヤヤネヒはあの表現、物を作ってるひとたちへの敬意がまったく感じられないのでキライですけど。人類すごいな。

そう! 動画サムネイルで紗倉先生が見つめている「相手」はこれ!!アヒルひよこちゃん*3!!

カット編集もいらない(というかほとんど出来ない)し、一本撮影用のシステムを用意したら、女優さん・男優さんとシチュエーションの掛け算で無限に動画が作れる。勘のいいひとはお気づきだと思いますが、台本があれば夢系女性向けAVもイケる、実際出てるんだな。本数少ないけど。っていうか別にひよこでなくてはならぬ理由もなく、恋人の写真でも好きアニメキャラでもぬいぐるみでも、カメラとカメラのスペースに収まればなんでもいいんだと思うのですが。

なんとなく推察される業界事情

新技術に蹂躙されている…

年間のAVの製作数は諸々全部ひっくるめて約3万5000本程度との推定があるようですが、DL系は今ガンガンにVR推してるし。絡みが入る作品よりも女優さんの負担が少ない、予算いらない、カット編集がラク、売れる、というのであれば、どんどんこっちに流れるのでは?

っていうか、DMM(FANZA)さんだから数字出てるかなーと思って調べてみたら、2016年の記事で数字が出てた。。

最近ではVRコンテンツだけで単月の売上が1億円以上になっています。アダルト作品の中には、1本で数百万円、数千万円を売り上げるタイトルも出てきています。 …(中略) 普通の(VRではない)動画配信でも、それぐらいの売上になるタイトルはなかなかありません。 …(中略) 実際にVRコンテンツのあるタイトル(アダルト作品)は、単体で累計5000万円以上の売上になっています。売上が1000万円以上のタイトルもいくつか出てきています。これはパッケージの販売に換算すれば何万本というレベルです。(アダルト作品の)DVDの販売でも、ここまで本数が出るタイトルはなかなかありませんね。

k-tai.watch.impress.co.jp

DMM営業マネージャーさん、「なかなかありません」って二回言ってる。既にかなり『そういう』状況っぽいです?

ひよこちゃん」は知ってしまったら戻れないファクトだった気はしますが、実際に没入すれば紗倉先生の溢れるホスピタリティですべてを忘れられるので。おそらく問題はない。問題はない。

みんなでひよこちゃんになろう

緑魔子先生主演・増村保造監督の『大悪党』暴行シーンで、演技と効果音で絶妙に背徳的に見せている(よーく見ると、緑魔子先生が佐藤慶先生にベルトで打たれ蹴られたりのシーンも絶妙に周囲のソファとか机の脚とかに当たってて、俳優さんの表情と演出が『暴力』を演出している、俳優さんも監督さんも演出の方々もすごいなって思った)のに感心したことを思い出しました。今後、これまでの実写AVはアングラ伝統芸能のようになっていくのかなあ、とヤヤネヒは考える。

大悪党 [DVD]

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なんで男性向けAVのほうが出るんですかね問題とか

元々、男性向けが多かった、ってのはあると、ヤヤネヒ、推測するんですね。世代、それから、プロダクション方面の問題もありそう。AV強要問題がばさっと下火になったのは、今回扱ったような流れで、新技術に業界が蹂躙されて「ハードな新作AV」の需要が減った、というのがあるのでは? と神は推察しなくもない。そっちの方面には伝手がないのでちょっとわからぬ。

日本の女性向け娯楽メディアは、世界有数のつよさをほこるはずで。女性主導の女性向けゲームメーカーがゲームショウにカジュアルに出店しててあらゆる書店にBL棚がある国、世界的にはかなり珍しいです(中国はちょっとわかんない)。

にま関わらずAVが伸びない理由。統計は出せないんですが、女性向けの恋愛~アダルト系メディアはオタクジャンルとアイドルジャンルに二極化して回収されており、それらに比べると、AVはまとまったファンを取れていないというのが一番大きいんじゃないかと実は思っていたりします。最近は男優さんの握手会などあると聞く(これもえらい話である)

VRもですが、テッキーな作品が男性向けメディアに比べて少なめな事情についてはいくつか考察がありますが、

乙女とBLを混ぜてはいけないという不文律(戦争が起きる)

ゆえにでかい市場を取りに行きづらい、というのが大きい気がしていて、ヤヤネヒこの話めっちゃしたかったんですが、調べてると既に意外と出てるという(前記事参照)情報がどんどん出てくるし、ハイエンド3D/VRゲームを技術的に牽引してきたillusionが、次はまさかの「VRカレシ」出すっていう… もういろんなところが女性向けエンタメ市場にノリノリなのでどーにもこーにも?*4

余談

ゲイポルノ市場はどうなってるのかなって思ったら、454本中

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すくない。 FANZAの女性向けAVが507タイトル中7作品、グラビア系だと、探すとけっこう出てくるので(バーチャルゲートに15本)、 男性向けVR-AVの4,414はちょっと群を抜いてますが…*5

まぁ母数が少ないんですけど、男性向けVR-AVによって世間の男性方(そして女性がた)がひよこちゃんになっていく情景を見るに、ふつーのAVは、サクマイとかアート分野のほうで残っていくのかもしれません。

リアルプレイの需要が下火。

…みんなひよこ(等)になる世界。

平和。

こんな時代がきてしまうと誰に想像できたであろうか。*6

二次元系についてもういっかい

最近のアダルト作品は、低予算のLive2D(静止画をアニメーションさせるソフト、べつにエロゲ専用ではない)作品+オーディオドラマみたいな作品が主流な感じです。

以前柏木るざりん先生から聞いたんだけど、今エロゲ業界、演出と物語に凝ったゲームを出せる、あるいはソシャゲで回してるようなトップランカーと、低予算作品(あと、女性向けでも多いオーディオドラマCD等)を月一本とかのペースで出す小さい所(含同人)、トップとボトム以外の中間層がごっそり潰れた状態だそうで。*7

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Live2Dはちょっと古めの動画ですが、こーいう技術。

最近だとVtuberさんの基幹技術の一つなので、前回記事でもすこし触れてましたが、Vtuberの話で詳しく話すかもです。例としては…フェルメールの「真珠の耳飾りの乙女」をめっちゃ雑なリップシンクでしゃべらせるCMが池袋で流れてて、「もうちょっとちゃんと動かしたれやー」とヤヤネヒと思った。そういう用途もある。

ゴーグル系のアダルトVR作品改めて調べてるんだけど、VRはillusionさん*8の「VRカノジョ」以降はほぼ出てないでしょーか。DLsiteも探したんだけど、2件だけだった。実はエロに全振りしても売れないのがこのしゃかいなんだな……というかんじがする*9

illusionさんは00年代まで、精力的に3DのPCゲームを作っていたメーカーさん。トゥーンライクな作品を出すTEATIMEっていうブランドもあったんですが、こちらはけっこう前に(2013年、VRゴーグルが現実化しはじめたギリギリ最初くらい)解散してしまいました。

で、今なにやってるかっていうと「VRカノジョ」のあとに「SUMMER VACATION(これは女の子もの)」、「Vカツ!(男性モデルも作れる3Dアバター作成ソフト)」→おつぎはまさかの「VRカレシ」です。

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日本市場、思った以上に、ばっさりと別ジャンルに技術を転用していく傾向があるようだ。調べるまで気づかなかったです。

エロ一本じゃ売れないけど、引きとしての「エロス」と「タナトス」は強い。

www.moguravr.com

ヤヤネヒ的にはエロスよりタナトスなんですけど。PS-VRの試遊コンテンツで刺さったのは、「サマーレッスン」ではなく、「シン・ゴジラVR」と、「ダンガンロンパVR」の「オシオキ」でした。ヤヤネヒ、神といえどそんなにホイホイ死ねませぬゆえ。っていうか、神、死ねない。でも実験はしたい?

マッキノン先生&ドウォーキン先生曰くの「性的搾取のためのポルノグラフィ・セックス産業体」とは何だったのか…。*10

撹乱的な性的実践の本場、JAPAN。

もう一つ、最近、3Dアバター自作アプリとして大流行の「カスタムキャスト」で技術協力を行っているテックアーツさん。前作「3Dカスタム少女」って、物体X連動*11という触覚系VRプロダクトが2011年に発売されて、ほそぼそとモデルをシェアする文化が栄えていたのですが、

今回のリリース、もはやそんなことはどうでもよくなっていて、

みなさん、自分が美少女になる方に夢中である。

「なんで美少女」なのか(全体だと珍しいものが目立つように言われがちな現状はここまでのはなしで説明しました)、余所の倫理観や保守的な「何かこわい、キモチワルイ」感覚を理論武装してあーだこーだージャッジする前に、日本の技術・文化の縦断性・攪乱性に、もっと目が向けられて良いのでは、と、ヤヤネヒは思うのですけど、萌え絵がー!の人たちはもう、倫理観以前に状況に頭が追いついてない感じ、する*12

次はVtuber技術・製作事情などをはなします。はなすはず?

*1:こういう仕様のやつがあるのか、自作かは不明……メーカー名がチラっと見えるのでCV.宇多田に訊いてみる、コメントアウト

*2:あ、上にZOOMのマイクがもう一本立ってた、音響の大事さ

*3:ウィスパー録るときはたぶん耳に口寄せるんだとおもう

*4:強いていうとまだBLは弱いかも。これは市場の難しさゆえな気がする?

*5:しかし相手がひよこちゃん(他)男優だと思うとえらく平和な世界である

*6:そこまで一気に進むかは微妙ですが、この状況、わりと進みかねないと思う

*7:そんななかで瀬戸口廉也先生×OVERDRIVEの新作がクラウドファンディング成功というのはたいへん喜ばしい…です。 news.livedoor.com

*8:『レイプレイ』騒動で燃えたところでもある

*9:スカートめくりが云々されてたの、これ?

*10:まぁ、あの先生方の流派は「BL愛好者は治療すべきポルノ依存症であり、ロマチカポルノも男性による性的搾取の一環である」という主張なのでとくに矛盾はしないのですが、もうこのへん、(実在)児童性的搾取とか人身売買おろか、リアルプレイからどんどん遠ざかっている。。

*11:隠語、察しろ

*12:中国もぶっとびかたでは大概だと思うんだけど、あちらはアナーキーな一方、規制と監視がきついので。この島国は結果的に独自の進化を遂げている気はする